令和6年度 化学物質管理に関する初心者向け解説教材 第5巻
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7第1章 職場の自律的な化学物質管理を支える化学物質管理者の仕事※1:次のコラム参照のこと労働安全衛生法における化学物質管理者の規定化学物質管理者の選任の必要性を判断するときの「リスクアセスメント対象物の製造事業場」、「リスクアセスメント対象物の取扱い事業場」、「リスクアセスメント対象物の譲渡・提供事業場」についてから施行されていますが、「化学物質管理者」自体は、2016年にリスクアセスメントの実施が義務化された際に公示された「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」の中で、安全管理者または衛生管理者の下でリスクアセスメント等に関する技術的業務を行わせることが望ましい担当者として登場していました。今回の法令改正のタイミングで、より上位の労働安全衛生規則において、化学物質管理者の選任の義務やその職務内容が規定されました。化学物質管理者の選任については、労働安全衛生規則第12条の5に次の通り規定されています。*************************************************************************************第十二条の五 事業者は、法第五十七条の三第一項の危険性又は有害性等の調査(主として一般消費者の生活の用に供される製品に係るものを除く。以下「リスクアセスメント」という。)をしなければならない令第十八条各号に掲げる物及び法第五十七条の二第一項に規定する通知対象物(以下「リスクアセスメント対象物」という。)を製造し、又は取り扱う事業場ごとに、化学物質管理者を選任し、その者に当該事業場における次に掲げる化学物質の管理に係る技術的事項を管理させなければならない。ただし、法第五十七条第一項の規定による表示(表示する事項及び標章に関することに限る。)、同条第二項の規定による文書の交付及び法第五十七条の二第一項の規定による通知(通知する事項に関することに限る。)(以下この条において「表示等」という。)並びに第七号に掲げる事項(表示等に係るものに限る。以下この条において「教育管理」という。)を、当該事業場以外の事業場(以下この項において「他の事業場」という。)において行つている場合においては、表示等及び教育管理に係る技術的事項については、他の事業場において選任した化学物質管理者に管理させなければならない。(中略)2 事業者は、リスクアセスメント対象物の譲渡又は提供を行う事業場(前項のリスクアセスメント対象物を製造し、又は取り扱う事業場を除く。)ごとに、化学物質管理者を選任し、その者に当該事業場における表示等及び教育管理に係る技術的事項を管理させなければならない。ただし、表示等及び教育管理を、当該事業場以外の事業場(以下この項において「他の事業場」という。)において行つている場合においては、表示等及び教育管理に係る技術的事項については、他の事業場において選任した化学物質管理者に管理させなければならない。*************************************************************************************当該項における「リスクアセスメント対象物を製造し、又は取り扱う事業場」、「リスクアセスメント対象物の譲渡又は提供を行う事業場(前項のリスクアセスメント対象物を製造し、又は取り扱う事業場を除く。)」については、一般的な製造する事業場、取り扱う事業場、譲渡・提供する事業場とは必ずしも一致しないことがあります。そこで本書では、化学物質管理者の選任に関する説明に関しては、それぞれ「リスクアセスメント対象物の製造事業場」、「リスクアセスメント対象物の取扱い事業場」、「リスクアセスメント対象物の譲渡・提供事業場」と表記しています。化学物質管理者の選任および職務については、労働安全衛生規則第12条の5に定められています。この条項は2024年4月1日(労働安全衛生規則第12条の5第1項~第5項)第1項化学物質管理者を選任すべき事業場(リスクアセスメント対象物の製造事業場、リスクアセスメント対象物の取扱い事業場※1)及び当該化学物質管理者に管理させるべき事項第2項化学物質管理者を選任すべき事業場(リスクアセスメント対象物の譲渡・提供事業場※1)及び当該化学物質管理者に管理させるべき事項第3項化学物質管理者の選任時期(選任すべき事由が発生した日から14日以内)、選任すべき者の能力(講習終了者、その他)第4項化学物質管理者への職務をなしうる権限の付与第5項化学物質管理者の氏名の関係労働者に対する周知表5-1-1 化学物質管理者の選任及び職務に関する条文内容

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