第1章 化学物質のリスクアセスメントリスクを見積もるときには、その物質が入っている製品が職場でどのように使われているかがポイントになるんだ。同じ物質でもペレットなのか粉末なのか、製品によって形状が違うことでどれだけ物質を吸い込む可能性があるか変わるよね。同じ「塗料」製品でも、スプレーで吹き付ける、はけで塗る、型に流し込むなど、使い方が違うと見積りを行う優先順位も変わってくるんだ。物質の危険性・有害性の種類や重篤性と労働者がどのようにばく露するのかの両方の組み合わせによるから、いろんなケースが考えられるね。例えば、リストアップして有害性がある物質だとわかっても、一切ばく露しない使い方であればそれ以上の対策は必要ないという場合もあるから、実際は物質の性質とばく露の状況の両方を考えながらリスクアセスメントを進めることになるね。最終的には、労働者に健康障害のおそれがあるかどうかを評価するのがリスクアセスメントだよ。化学物質だけでなく製品の情報も大事なの?じゃあ、リスクの見積りは物質の数だけ行えば良いというわけではないんだね?23
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