労働安全衛生総合研究所 2025年3月第4巻では化学物質の危険性(爆発や火災)及び健康障害のリスクアセスメントについて説明します。ここではまずリスクアセスメントとリスクアセスメント対象物という言葉の定義をしっかり理解してください。リスクアセスメントの方法は事業者自身が決めなければなりませんが、さまざま手法が厚生労働省から示されているので参照することができます。どのような作業及び働く人に対してどのリスクアセスメント手法を選択するかが最も重要なプロセスです。関係者皆さんで検討しましょう。事業者は「職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない」と労働安全衛生法で定められていますが、事業者の責任と共にリスクを低減するために最も重要な事は働く人(労働者)の行動(作業の仕方)です。この行動は働く人が化学物質の危険性や有害性を認識しているどうかに大きく関わることを忘れないでください。第1巻で説明した有害性に関するばく露限界などがどのようにリスクアセスメントの中で使用されているのかを理解すると、化学物質の環境基準や食品添加物の基準等の決め方が理解できるようになると思います。これまでにあまり聞いたことがなく取っつき難い内容かも知れませんが、化学物質管理の基礎の一つですので、本書で一緒にはじめの一歩を踏み出してみましょう。また第4巻では、皮膚等障害化学物質等への直接接触防止、リスクアセスメントに関連した他の重要な改正項目についても簡単に触れました。2シリーズ:働く人の化学物質管理ABCはじめに第4巻
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