第5章 ラベル表示とSDSを読む51【生殖細胞変異原性】(DFGOTvol.16,2001、PATTY5th,2001)であることから区分に該当しないとした。なお、マウスリンフォーマ試験の代謝活性化(S9+)のみで陽性結果(EHC196,1997、DFGOTvol.16,2001)はあるが、2001、PATTY5th,2001)やマウスリンフォーマ試験(EHC196,1997、DFGOTvol.16,2001)やCHO細胞【発がん性】2009)。しかし、腫瘍の判定が標準的方法と異な【生殖毒性】れ(PATTY5th,2001)、さらに別の吸入またマウス赤血球を用いたin vivo小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)において、吸入ばく露で陰性(EHC196,1997)、腹腔内投与で陰性その他Ames試験(EHC196,1997、DFGOTvol.16,を用いた染色体異常試験(DFGOTvol.16,2001)などin vitro変異原性試験では陰性であった。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による未発表報告では、ラット・マウス・サルの試験で発がん性なしとしている(EHC196,1997)。また、ラットを用いた8週齢より自然死するまで飲水投与した試験で、雌雄に頭部と頸部のがんおよび雌に血液リンパ網内系腫瘍の発生が有意かつ用量依存的に増加したと報告されている(ACGIH,り、動物の自然死後に行われていないため、評価あるいは比較が困難と考えられる。以上の相反する情報により分類できない。妊娠マウスの器官形成期に吸入ばく露した試験において、胎児吸収、脳脱出などが見らは経口ばく露による試験でも口蓋裂を含め、同様の結果が得られている(EHC196,1997、DFGOTvol.16,2001)。メタノールの生殖への影響に関して、証拠の重みに基づく健康障害としての科学的判断がなされ、ヒトのデータは欠如しているが動物による影響は明確な証拠があることから、ばく露量が十分であればメタノールがヒトの発生に悪影響を及ぼす可能性があると結論されている(NTP-CERHRMonograph,2003)。以上により、ヒトに対して発生毒性が疑われる物質とみなされるので区分1Bとした。
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