令和6年度 化学物質管理に関する初心者向け解説教材 第3巻
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第3巻では化学品の危険性や有害性を伝える意味、方法について学びます。化学品の危険性や有害性がわからなければ、それらを安全に取り扱うことはできません。ところが困ったことに化学品の危険性や有害性を知るには人の五感はほとんど役にたちません。つまり危険性や有害性は何らかのコミュニケーションツール(文字、色、音、絵表示など)を使って伝える必要があります。しかも一般に化学品の危険性や有害性はその供給者(譲渡・提供者)から情報を得ないと全くわかりません。これが化学品へのラベル貼付やSDS交付が法令で義務化されている理由です。残念ながら日本ではこの危険性や有害性を伝えるための法令整備が欧米に比べて数十年遅れていました。今回の労働安全衛生に関する法令改正で情報伝達が義務となる物質数は徐々に増えていきますが、全ての危険性や有害性のある物質を対象にしている欧米に比べるとまだまだ遅れていると言えます。GHSのラベル内容について理解すると、日本の化学品の危険性や有害性のみならず、海外の化学品の危険性や有害性もある程度知ることができるようになります。これは日常的に化学品の危険性や有害性から自分自身を守るという事につながります。ぜひGHSを利用してください。労働安全衛生総合研究所 2025年3月2シリーズ:働く人の化学物質管理ABCはじめに第3巻

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