第1章 化学品のGHS分類「試験方法及び判定基準のマニュアル」と「OECDテストガイドライン」疫学調査11ヒトの健康に対する影響を分類するときに使われる情報の例る必要があります。そのような試験法が掲載されているのが「試験方法及び判定基準のマニュアル」と「OECDテストガイドライン」です。テストガイドラインはISOやASTM等の機関からも公表されており、GHSがOECDテストガイドラインプログラムに直接的に連動するものではありませんが、特に一般化学品の健康有害性の分野ではOECDテストガイドラインがよく使われています。近年は動物福祉の観点から、動物を用いる試験法は減少傾向の一方、技術の進歩に応じて新しい試験法や評価法も開発されています。ん性物質がヒトに対して実際にがんを生じさせているかを確認するときは、職場でその物質を扱う作業に従事する労働者(の集団)を対象として、がんの発生頻度や物質のばく露状況などを調査します。調査にあたっては、発がん性物質のばく露以外に、がんの発生に関係する可能性がある喫煙、飲酒、運動、食生活等の日常生活の習慣を考慮します。危険性や有害性の試験結果に基づいてGHSの基準に照らして分類する場合、ある一定の試験法で実施された試験結果を評価す疫学調査とは、ヒトの集団を対象とし、疾病の原因と思われる因子と疾病との関連を調査する方法のことです。例えば、特定の発が
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