10そうだね。有害性に関係する試験についてはOECD等でテストガイドラインが策定されていて、その試験法に準拠した動物試験等の結果が分類に使われることが多いよ。定められた方法で実施した試験結果には再現性があるから、情報の信頼性が高いんだね。動物試験には、急性毒性のように投与量(単位の例:mg/kg体重)が定量的になっているものや、皮膚障害の腐食と刺激のように重篤度の観察で分類されるものもあるよ。動物とヒトに出る症状や影響はほぼ同じように見られることが多いけど、いつも同じと言えないんだ。動物によってはその動物だけが持っている臓器があって、その臓器に見られた影響はヒトには現れないことが知られているケースもあるし、動物とヒトで化学物質の代謝経路が違っていて見られる影響が異なることもあるよ。特に発がん性では、災害情報や疫学調査などにおけるヒトのがん発生率に基づいた証拠の強さや重みといった、「証拠の確からしさ」から分類されることもあるよ。健康有害性でも、ヒトの経験や試験結果の情報が使われるの?動物試験で見られた症状や影響は、ヒトでも同じように見られるの?ヒトの経験はどんなふうに使われるのかな?
元のページ ../index.html#10