令和6年度 化学物質管理に関する初心者向け解説教材 第2巻
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第4章 GHSで知ることができる健康有害性91有害性の区分の内容について健康有害性の各区分の基準と重大性についてまとめました。・区分1A~1C:化学物質のばく露時間および皮膚腐食の観察時間を踏まえた基準により、重大性が大きいものからA、B、Cとなるように判定基準が定められています。・区分2/2A、2B:データに基づいて判断可能である場合、回復性に応じて、区分2Aまたは2Bに細区分され、区分2Bがより軽度の刺激性を示します。・細区分1A:ヒトで高頻度に症例が見られる、または動物や他の試験に基づいたヒトでの強い感作率の可能性がある場合に分類されます。・細区分1B:ヒトで低~中頻度に症例が見られる、または動物や他の試験に基づいたヒトでの低~中の感作率の可能性がある場合に分類されます。・細区分1A:ヒトで高頻度に症例が見られるおよび/または動物での強い感作能力からヒトに重大な感作を起こす可能性が考えられる場合に分類されます。反応の重篤性についても考慮されます。・細区分1B:ヒトで低~中頻度に症例が見られるおよび/または動物での低~中の感作能力からヒト感作を起こす可能性が考えられる場合に分類されます。反応の重篤性についても考慮されます。・区分1A:ヒト生殖細胞に経世代突然変異を誘発することが知られている物質※ヒトの疫学的調査による陽性の証拠により物質をここに分類する。・区分1B:ヒト生殖細胞に経世代突然変異を誘発すると見なされるべき物質・区分1A:ヒトに対する発がん性が知られている物質※主としてヒトでの証拠により物質をここに分類します。・区分1B:ヒトに対しておそらく発がん性がある物質※主として動物での証拠により物質をここに分類します。①急性毒性(区分1~5)急性毒性推定値(ATE)という指標(数値)を用いて区分が判定されます。ATEのうちわかりやすのは半数致死量で、これは試験動物の半数が死に至る量(体重1kg当たり)で定義されます。この量が少ないほど毒性が強いということになります。区分の数字が小さい方ほど毒性が強いことが示されます。②皮膚腐食性/刺激性区分1:皮膚腐食性に関する区分区分2、3:皮膚刺激性に関する区分③眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分1:眼に対する重篤な損傷性/眼に対する不可逆的作用に関する区分区分2:可逆的な眼刺激作用に関する区分④呼吸器感作性または皮膚感作性呼吸器感作性区分1:ヒトに対し特異的な呼吸器過敏症を引き起こす証拠がある、または適切な動物試験により陽性結果が得られている物質皮膚感作性区分1:物質が相当な数のヒトに皮膚接触により過敏症を引き起こす証拠がある、または適切な動物試験により陽性結果が得られている物質⑤生殖細胞変異原性区分1:ヒト生殖細胞に経世代突然変異を誘発することが知られている、または経世代突然変異を誘発するとみなされている物質区分2:ヒト生殖細胞に経世代突然変異を誘発する可能性がある物質⑥発がん性区分1:ヒトに対する発がん性が知られている、またはおそらく発がん性がある物質区分2:ヒトに対する発がん性が疑われる物質

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