令和6年度 化学物質管理に関する初心者向け解説教材 第2巻
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第4章 GHSで知ることができる健康有害性83そうだね。例えば、オルトトルイジンの代謝物は、膀胱の細胞の遺伝子に作用して膀胱がんを引き起こすよ。ベンゼンは骨髄細胞の遺伝子に作用して白血病が生じるんだ。発がん性物質であっても、特定の産業や製品にとってはとても重要な役割を果たしていて、代わるものがないことから全面的に使用を禁止すると産業や経済に大きな影響を与える場合もあるよね。だからこそできるだけ発がん性物質にばく露しないよう管理しながら扱うことが大事なんだ。生殖細胞変異原性物質も同じだよ。物質によってがんが起きる臓器が違うのかな?発がん性物質の中には、使用禁止になっていないものもあるよね?物質によって作用するターゲットは異なる

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